昨今の混迷するわが国の社会事象をみると、凶悪犯罪の増加、さらには青少年による犯罪の低年齢化や家庭内暴力などが新聞上をにぎわし、日本の将来に暗い影を落としつつあるかのようであります。
こうした現実を直視するとき、これまでの教育のあり方をめぐって国民的議論が展開されようとしていますが、なによりも大切な視点は、「一人ひとりの人間としての心と、その生き方にある」のではないでしょうか。
中江藤樹先生は、すべての人間には「明徳」というこの上ない美しい心を持って生まれてきたのであるから、それを磨き、日常生活の中で発揮することが人間として最高の生き方だということを、サムライの門人や近郷のむらびとにわかりやすく説き示しました。
この度、計画しました映画「中江藤樹」は、藤樹先生のうつくしくも苦闘の人生をおくった教育者としての41年の生涯を描くことにより、この憂うべき社会の暗い影にひとすじの明かりを灯し、学校教育現場のみならず、家庭や社会全体に心の教育の大切さを訴えた文化教育映画であります。
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